インターネットが普及し、誰もがネットショップを開業できる時代になりました。
様々なツールがある中で、今回は世界中で使われているWordPressを使ったネットショップ開業についてご紹介します。
目次
ネットショップ開業にWordPressを使うメリット
まずは、なぜネットショップ開業にWordPressが適しているのかをご説明します。
WordPressではどんなことができるのでしょうか?
見たまま編集ができる
WordPressはテキストや画像の情報を入力するだけで簡単にサイト運営ができます。
HTMLやCSSなどの知識がなくても、既存のテーマを使えばすぐにおしゃれなサイトが出来上がります。
ただ、既に出来上がっているデザインを使うので「この辺の色やデザインを変えたい」という細部のこだわりを実現するには、少しばかりコードの勉強は必要です。
無料のプラグイン(拡張機能)が多数ある
WordPressは、プラグインを使って機能を増やすことが可能です。
ネットショップに特化した専用のプラグインを利用すれば、カート機能や受注管理などをすることができます。今は日本製のプラグインも出ているので、スグにネットショップを開業することができます。
低価格でネットショップを始められる
ネットショップを開設するには、大きなサイトを通して出品するタイプのモール(ネットショップ出店ASP)と、路面店のように自分専用サイトを開設するタイプのレンタルショッピングカート(ASP)があります。
モールはAmazonや楽天市場を想像してもらうと分かりやすいかも知れません。
レンタルショッピングカートは通常のネットでの通販サイトだと考えてください。
モールの費用例として、楽天市場では初期費用+月額利用料(12ヵ月)で294,000円(2019年10月末現在)となっています。売り上げを伸ばすために広告を出したりすると、別途広告費がかかります。
レンタルショッピングカートは、大体初期費用1万円+月額利用料1万円ほどで始められるプランがありますが、カスタマイズや集客アップのための施策などはどうしてもサービス提供側に依存する形になります。
一方WordPressはツール自体は無料で作成することが可能です。
独自ドメインの取得やショッピング用のレンタルサーバーを入れ込むとしても、年間の利用料はかなり安く抑えることが可能です。
メディアとしての機能も有効活用できる
集客や顧客の購買意欲を高めるためにはメディアの機能が非常に有効です。
その商品の魅力や、それを使うとどのようなメリットが得られるか、実体験に基づいた情報を発信したり、商品に関連するお役立ち情報を発信したりすることができます。
『北欧、暮らしの道具店』などは、メディアとショッピングツールを融合させたサイトでも非常に綺麗なお手本です。
メディアと合体させることにより、SEO対策になったり潜在顧客が獲得できたりする大きなメリットが望めます。
ネットショップ開業にWordPressを使う際のデメリット
良いことづくめのように見えるWordPressでのネットショップ開業ですが、もちろんデメリットは存在します。
デメリットを知ることで、WordPressを使うかそれとも他のツールを使ってネットショップを開業するのがベストなのかを知ることができます。
保守は自分で行わなければならない
WordPressはオープンソース型のCMSです。
CMSとは、コードを書き込まなくても文章や画像を入れ込むだけで編集できるサイトのこと。
引用元:https://www.asobou.co.jp/blog/web/cms-type
とされていますので、自分で保守作業が出来ない場合は外部に委託しなければなりませんし、不具合対応などもする必要があります。
本格的にWordPressでネットショップを開業しようとしたら、そういったことまで考える必要があります。
カスタマイズにこだわりたい時にはコードの知識が必要
「この欄を消したい」「サイト内の動きを変えたい」など、ショップを運営している中でこだわりたい部分が出てくるかも知れません。
既存のデザインを使っている間は問題ありませんが、そういった細々したカスタマイズは専門知識が必要です。
そうなると少し構えてしまうかも知れませんが、WordPressの場合はGoogle検索で十分対応ができる範囲ですので、チャレンジしてみる価値はあります。
新しい支払い方法への対応が後手になる
新しいキャッシュレス決済方法が次々と現れる昨今、ネットショップのために構築しているツールと比べると、最速では機能を投入することはできません。
WordPressは拡張機能を追加していくツールですので、最新の機能を瞬時に取り入れていくことは難しくなります。
WordPressを使ってネットショップを作ろう
WordPressにはネットショップ用のテーマが多数あり、テーマとプラグインが連動されているものを選べば、ほとんど手をかけずにネットショップが開業できます。
これらには無料のものと有料のものがあり、どちらも一長一短です。
どちらを選べば良いのか、それぞれの特徴を見てみましょう。
WordPress専用!ネットショップ構築プラグイン Welcart(ウェルカート)
ネットショップ構築プラグインといえば日本製のプラグイン「Welcart」が有名です。
WordPressサイトに、Welcartプラグインを追加するだけで無料で簡単にネットショップを始められます。ログインや管理画面がWordPressと共通なので、運営者の負担も少なく管理が可能です。
その他、Welcart専用のテーマや、拡張プラグインでお気に入りのデザインや機能を欲しい時に追加することもできます。
出典 Welcart
WelcartはWordPress専用テーマ「Welcart Basic」が無料で使えます。またコンビニ払い・在庫管理・クロネコヤマトの送り状発行サービス等さまざまなプラグインを無料で配布しています。
ただ無料テーマはかなりシンプルですので、デザインにこだわるなら有料テーマを購入したほうが良いかも知れません。
有料テーマはネットショップに必要な機能が既にほぼ全て搭載されているので、導入後すぐに始められるところが魅力でしょう。また、「Welcart」専用テーマなのでサポートの充実も望め、1人で何もかもを手配するのは不安だという方におすすめです。
価格は約1.2万円~5.万円前後で購入でき、買い取りなので月額料金はかかりません。
別途有料になりますが、保守サービスやAmazon payの導入ができるプラグインも充実しているおり、カスタマイズは自分でしたいけど保守やアップデートは分からない場合のフォローとして、部分的に有料にしてネットショップの機能を充実させていく柔軟な運営が可能です。
有料プラグイン
有料プラグインで日本語対応があるものでは、ネットショップに必要な機能を網羅的に備えている『ネットショップ管理プラグイン』があります。
出典 CMS×WP
プラグイン本体は通常版と開発者版の2種類があり、通常版であれば税込み54,000円で購入することが可能です。
ベーシックなネットショップに必要な要素に加えてアフィリエイト機能、注文分析機能、有料会員サイトの構築など、より本格的なネットショップ運営ができるプラグインです。
個人情報の取り扱いには厳重注意
すぐにネットショップを始めたい方には魅力的なWordPressですが、忘れてはいけないのはオープンソースであるが故にセキュリティ面の脆弱性が常に懸念されている点です。
対策にバージョンアップが頻繁に行われていますが、自分自身でもセキュリティ対策は厳重に行わなければなりません。
ただし難しい場合には有料サービスなどでサイトの保守・点検を行ってくれるものがありますので、それらを利用して万全を期したほうが安心です。
まとめ:WordPressのネットショップ開業に向いているのはこんな人
では最後に、メリット・デメリットを踏まえながらどんな人がWordPressのネットショップ開業に向いているのかをまとめてみましょう。
- まずは低価格で自分のネットショップを開業してみたい
- オウンドメディア的なネットショップ展開をしようと考えている
- 自由にカスタマイズできるツールを使いたい
- ある程度コードの知識がある、もしくは勉強することに抵抗がない
- 保守・アップデート等を行うのが苦でない、もしくは外部に委託する資金がある
こんな感じです。
あとがき
個人的には始めてのネットショップ開業ならWordPressでプラグインを使って始めるのは難しいように思います。
もちろん無料のプラグインを使えば費用は抑えられますが、「保守・アップデート等を行うのが苦でない、もしくは外部に委託する資金がある」以外の方はカラーミーショップのようなショッピングカートASPを利用したほうが簡単安心です。